浜松市中央区富塚町の内科・消化器内科
上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)

つね医院

〒432-8002
静岡県浜松市中央区富塚町1547-1

不活化・帯状疱疹ワクチン(シングリックス®)接種のご案内

帯状疱疹は、水ぼうそう(水痘)にかかった人が、数年経ってから発症する病気で、水ぼうそうと同じウイルスが原因です。水ぼうそうにかかった後もこのウイルスは体の神経に潜んでおり、普段は体の免疫力によってウイルスの活性が抑えられていますが、加齢やストレスなどで、免疫力が落ちたときに、通常片側だけの顔面や頭皮、胸や背中、脇腹、太ももなどの神経に沿って、ピリピリ、チクチク、ズキズキといった神経痛が出現、その後帯状に水疱がでます。80歳までに約3人に1人の人が帯状疱疹になるといわれており、特に加齢による影響は大きく、50歳以上になると発症率が急激に増加し、帯状疱疹患者の約7割が50歳以上の方です。また、50歳以上で発症した人の約18%は帯状疱疹後神経痛になるといわれています。帯状疱疹後神経痛になると、最低3か月から数年間、神経痛に悩まされることになりまた、目や耳に発症すると、めまいや耳鳴り、重症化すると視力低下、失明や顔面神経麻痺などの後遺症が残ることもあります。

これまでも、生水痘ワクチンが使用されてきましたが、このたび、2020年1月に新しい帯状疱疹ワクチンである(シングリックス®)が発売となりました。このワクチンは2か月間隔で2回接種する不活化ワクチンです。50歳以上の方はワクチン接種することにより、帯状疱疹をかなり予防することができるようになりました。2つのワクチンの効果の比較ですが、従来の生ワクチンの有効期間は約5年間で、発症予防効果は60代で64%、70代で41%、80代では18%と高齢になるとかなり低下する一方、新しく発売されたシングリックスの有効期間は10年間以上といわれており、発症予防効果は50代、60代で97%、70歳以上で98%、80歳以上でも91%と従来の生ワクチンよりも高い効果が期待できます。また、帯状疱疹後神経痛に対する予防効果もシングリックスは88.8%とされております。 一方、シングリックスの副反応としましては、接種部の痛みや翌日の筋肉痛、だるさなどがありますが、3日ほどで治ります。また、シングリックスは不活化ワクチンですので、6日間以上あければ他のワクチンを接種することができますし、免疫抑制剤、抗がん剤治療中などの免疫抑制状態の方でも接種可能です。

ワクチン接種の回数と当院での費用ですが、従来の生ワクチンは1回で接種が終了なうえ、接種価格が8000円+税800円で計8800円に対して、シングリックスは2回接種しなければいけないことや、接種価格が1回21000円、2回で42000円+税4200円で計46200円とかなり高価であります。しかしながら帯状疱疹、帯状疱疹後神経痛の両方に高い予防効果が期待できますので、高齢者の方や、帯状疱疹にできうるかぎりなりたくない方や、二度と帯状疱疹になりたくない方はシングリックスの効果に期待してもよいと思われますので是非ご検討ください。なお、ワクチン入荷は1日程度で、随時受け付けております。

2021年12月7日

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